敏腕社長に拾われました。
「なあ、人に聞くだけ聞いといて、目閉じるってどういうことだよ」
虎之助はそう言って、私の鼻をピンッとはねる。
「だって、虎之助がなんて答えるか怖くって」
今だって、まだ怖い。虎之助からどんな答えが返ってくるのか、心配で体が震える。
「前にも聞いたと思うけど、智乃の中の俺ってどんだけ低レベルなんだよ? 俺が誰でも構わず、ホイホイ抱けるとでも思ってる?」
「え、抱けないの?」
「おまえはバカか……」
私の大真面目な言葉に虎之助は呆れたのか、ガックリと肩を落とす。そして顔を俯かせたまま、小さな声でつぶやいた。
「好きな奴しか抱かないよ」
「え? なんて……」
「ああーもう! だから先に今までのコトの成り行きを話して、俺の気持ちを分かってもらおうと思ってたのに」
「コトの成り行き?」
「もういい、面倒くさいし我慢の限界。終わったら全部話すから……」
虎之助は早口でそこまで言うと、私の体をソファーに押し倒す。
「ねえ、これって答えになってないと思うんだけど?」
「男と女の関係に、答えなんかあるのかよ。好きだから抱きたい、ただそれだけだろ?」
好きだから抱きたい? それって、もしかして……
「私のことが好きってこと?」
「当たり前だろ。智乃以外に誰がいるっていうんだよ」
顔を近づけた虎之助の唇が、耳朶をかすめ甘く囁く。虎之助の吐息の熱さに、私の頬も熱くなる。