敏腕社長に拾われました。

自分がバカなことしてるってわかってる。虎之助のことを信じるって決めたのに、こんなことしてるんだから、きっと大バカだ。でもだからって、そんなバカバカいうことないじゃない!

「宮口さん、ヒドい……」

「そうね、ヒドいかも。でもあなたがそんな弱腰なら、私が社長のこともらっちゃうけど?」

「え?」

くしゃくしゃの泣き顔のまま頭をあげると、宮口さんがプッと吹き出した。

「何、その顔」

「何じゃないです! 今の言葉、どういうことですか? 虎之助をもらう? それって私から奪うってこと? 宮口さんには小泉さんがいるのに?」

「そ、そうだよ。朱音さん、今のは聞き捨てならないな。一体どういうこと?」

小泉さんも焦っているのか、宮口さんの肩を掴んで揺さぶった。

「ちょ、ちょっと慎二さん、落ち着いて」

宮口さんは小泉さんをなだめると、彼の耳元で何かを囁く。それを聞いた小泉さんは、納得したように頷くとおとなしくなる。その様子にホッとしたのか宮口さんは小さく息を吐くと、私のことを厳しい目で見つめた。

「社長をあなたから奪う? 何言ってるの? もう社長は、あなたのものじゃないんでしょ?」

「そ、それは……」

痛いところを突かれて、口ごもってしまう。

「だったら私が社長を奪っても、なんの問題もないじゃない」

そう言って勝ち誇った顔を見せる宮口さんに、今度はふつふつと怒りが湧いてくる。



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