敏腕社長に拾われました。

でも今日は、それじゃダメ。

詩織さんに何を言われても、いうことはただ一つ。

『虎之助とは別れません。彼は絶対に誰にも渡しません!』

それだけだ。

詩織さんにせせら笑われてしまうかもしれない。あなたの気持ちなんて関係ない……って、スパっと切り捨てられてしまうかもしれない。

それでも、どんなことを言われても、私の虎之助に対する気持ちは少しだって揺るがない。

ここまで来て詩織さんに負けたら、後で宮口さんに何を言われるかわからないし。踏ん張るしかない。

気持ちを整えるために大きく深呼吸をすると、固く手を握る。

さあ、どこからでもかかってらっしゃい本間詩織! 今日の私はこの前の私と、一味も二味も違うんだから!!

ひとりで息も荒くさっきの女性が戻ってくるのを待っていると、ほどなくして想像もしていなかった詩織さん本人が私の目の前にやって来た。



< 226 / 248 >

この作品をシェア

pagetop