3つの視線、1つの物語

「仕方がないですね。姫様は、何を欲しているんですか?」


何も欲してないって否定するかな?っと思ったが…

一瞬迷いを見せた後、姫様が口を開いた


「……こ、言葉」


言葉…?

あぁ、そっか
そーいえば言ってなかった


「…好きですよ、姫様」

「?!」


俺が言うと目を見開いた姫様
どーやら当たってたらしい


「俺は…貴女を愛してます」


初めてこんな事を言った
でも、事実だ

俺は姫様を…
メルンを愛してる

言葉にすると恥ずかしいね
それを隠すように笑い掛ける

すると、姫様が寄り添って来た
だから、俺は姫様を抱き締めてみた

二人で抱き合って気付く
俺たちの心臓の鼓動がリンクしてる

俺も恥ずかしいけど、それと同じくらい姫様も恥ずかしいらしい

恥ずかしいけど…
でも、それ以上に想いが通じた事が嬉しい




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