3つの視線、1つの物語

「ノア…好き」


俺の腕の中で姫様が言った
俺の体が条件反射のようにピクリと反応した


「この状態で、そんなこと言っちゃダメです」


好きな子と抱き合ってるだけでも理性吹っ飛びそうなのに…


「なんで?」


なんでじゃないよ
そんな可愛い事言われたら、離したくなくなるし、理性崩壊する


「姫様が可愛過ぎて…俺の中のナニカが壊れます」

「え?壊れちゃうの?」


キョトンとする姫様


「私、もっとノアと恋人っぽい事がしたいんだけど…ノアが壊れちゃうのは嫌だなぁ」


あー…コレ理解してないな?


「姫様…もしかして…"壊れる"って直の意味で捉えました?」

「え?壊れる以外の意味ってあるの?」

「姫様って…硬いガードが外れると信じられない位無防備ですね。まぁ、俺にだけ見せてくれてるならいいんですけど」


無防備と言うか、無知というか…
まぁ、そんな所も好きなんだけどさ…

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