冷徹なカレは溺甘オオカミ
「……印南くん。おはよう」
「おはようございます。すみません、驚かせるつもりではなかったんですけど」
平静を装って挨拶をするわたしにそう返し、彼──印南くんは、小さく首をかしげた。
ちょっぴりかわいらしいその仕草、160cmあるわたしが見上げるほどの高い身長と無表情には、なんだかアンバランスだ。
こほんと咳払いしてから、改めて彼の顔を仰ぐ。
「うん、まあ、わたしも大きい声出しちゃって失礼しました。……今のは忘れてくれる?」
「わかりました」
言いながらうなずいた彼は、やっぱり無表情。
何を考えているのか読めないその顔に、わたしはこっそり冷や汗をかく。
……さっきの変な叫び声、なんとも思ってないのかな。
今目の前にいる高身長男子の名前は、印南 大智くん。
彼も九条物産の社員で、同じ営業第1グループ所属だ。
年齢はわたしよりもふたつ下の26歳で、今年の4月に名古屋支店からこの本社へと異動してきた。
デスクが隣りだから、自然とわたしが彼に業務を教える機会は多かったんだけど……彼、めちゃくちゃデキる人で。
1度教えたことはしっかりモノにして、いちいち指示しなくてもぱぱーっとこなしてしまうスキルを持っている。
彼がここに来て半年経った今、すでにほとんどひとり立ちしていると言ってもいい状態だ。
名古屋支店でも営業部にいたらしいけど、それにしたって適応能力はすばらしいと思う。
まだ知り合って間もないし、特別親しいってわけでもない。だけど仕事の面では、わたしは印南くんに、すでに全幅の信頼を寄せていた。
……だがしかし。
彼にはちょっと変わってるというか、不思議というか、特殊なところがあって。
「おはようございます。すみません、驚かせるつもりではなかったんですけど」
平静を装って挨拶をするわたしにそう返し、彼──印南くんは、小さく首をかしげた。
ちょっぴりかわいらしいその仕草、160cmあるわたしが見上げるほどの高い身長と無表情には、なんだかアンバランスだ。
こほんと咳払いしてから、改めて彼の顔を仰ぐ。
「うん、まあ、わたしも大きい声出しちゃって失礼しました。……今のは忘れてくれる?」
「わかりました」
言いながらうなずいた彼は、やっぱり無表情。
何を考えているのか読めないその顔に、わたしはこっそり冷や汗をかく。
……さっきの変な叫び声、なんとも思ってないのかな。
今目の前にいる高身長男子の名前は、印南 大智くん。
彼も九条物産の社員で、同じ営業第1グループ所属だ。
年齢はわたしよりもふたつ下の26歳で、今年の4月に名古屋支店からこの本社へと異動してきた。
デスクが隣りだから、自然とわたしが彼に業務を教える機会は多かったんだけど……彼、めちゃくちゃデキる人で。
1度教えたことはしっかりモノにして、いちいち指示しなくてもぱぱーっとこなしてしまうスキルを持っている。
彼がここに来て半年経った今、すでにほとんどひとり立ちしていると言ってもいい状態だ。
名古屋支店でも営業部にいたらしいけど、それにしたって適応能力はすばらしいと思う。
まだ知り合って間もないし、特別親しいってわけでもない。だけど仕事の面では、わたしは印南くんに、すでに全幅の信頼を寄せていた。
……だがしかし。
彼にはちょっと変わってるというか、不思議というか、特殊なところがあって。