冷徹なカレは溺甘オオカミ
そして、すぐそばまで来た店員さんの顔を何気なく見上げて──思わず、息を止めた。
「おまたせしましたー! って、え、ダイくん?!」
「……鈴音(すずね)?」
驚いた声をあげる店員さんに対し、微々たるものとはいえ同じく驚いた顔を見せる印南くん。
まさか、こんなところで──今朝彼と一緒にいた女の子と、会うなんて。
彼がつぶやいた呼び捨ての名前に胸をざわつかせながら、わたしは目の前で繰り広げられるやり取りを呆然と見つめる。
「うわー、びっくりした。まさかダイくんがウチの店に来るなんて」
「……ああ。そういえばここ、鈴音の勤め先か」
「ちょっとちょっと、あたしに会いに来てくれたわけじゃないんですかい!」
楽しげなふたりの応酬に、ズキンと胸の奥が痛んだ。
彼女──鈴音さんはそこでハッとしたように、おぼんの上のお皿を手に取る。
「あっ、失礼しました! ステーキごはんはダイくんだよね~牛肉好きだもんね!」
「どーも」
「それから、こちらは本日のプレートランチです!」
言いながら、にっこり笑顔でわたしの前にプレートを置いてくれた。
ぎこちなく会釈すると、そのときようやくわたしの存在をちゃんと認識したらしい鈴音さんが、ぴたりと一瞬動きを止める。
そして勢いよく、印南くんへと顔を向けた。
「おまたせしましたー! って、え、ダイくん?!」
「……鈴音(すずね)?」
驚いた声をあげる店員さんに対し、微々たるものとはいえ同じく驚いた顔を見せる印南くん。
まさか、こんなところで──今朝彼と一緒にいた女の子と、会うなんて。
彼がつぶやいた呼び捨ての名前に胸をざわつかせながら、わたしは目の前で繰り広げられるやり取りを呆然と見つめる。
「うわー、びっくりした。まさかダイくんがウチの店に来るなんて」
「……ああ。そういえばここ、鈴音の勤め先か」
「ちょっとちょっと、あたしに会いに来てくれたわけじゃないんですかい!」
楽しげなふたりの応酬に、ズキンと胸の奥が痛んだ。
彼女──鈴音さんはそこでハッとしたように、おぼんの上のお皿を手に取る。
「あっ、失礼しました! ステーキごはんはダイくんだよね~牛肉好きだもんね!」
「どーも」
「それから、こちらは本日のプレートランチです!」
言いながら、にっこり笑顔でわたしの前にプレートを置いてくれた。
ぎこちなく会釈すると、そのときようやくわたしの存在をちゃんと認識したらしい鈴音さんが、ぴたりと一瞬動きを止める。
そして勢いよく、印南くんへと顔を向けた。