冷徹なカレは溺甘オオカミ
「あーあ、ようやく俺にも兄貴候補その2が現れたと思ったのに。やっぱり確定は瑛奈の方だけかぁ」

「……颯真って、お兄ちゃん欲しかったんだ」

「たりめーよ。兄ちゃんと温泉行って露天風呂で男同士語り合うのが夢」

「そんな夢が……」



今の柊華史上最強にブサイクだぞ、と颯真に真顔で言われたので、とりあえずシャワーを浴びてさっぱりした。

肩にかけたタオルで髪を拭きながらリビングに来てみれば、待ち受けていたのはソファーでだら~っとテレビを観ていた弟からの、耳に痛い話で。

……お兄ちゃんねぇ。そりゃあ男なんだから、同性の兄弟が欲しいよなあ。



「瑛奈の話だと柊華の処女膜ぶち抜いた年下イケメン、いい感じの人っぽかったのになー。まっさか婚約者がいたとか、鬼畜展開」

「……もういいよ、その話は」



ていうかぶち抜いたとか言うなよ。自分の姉の身体の話を。


渋い顔のまま寝室に行って部屋着を脱ぎ、のろのろと着替える。

昨日最後までやけ酒に付き合ってくれたお礼に、今日のお昼はおごる約束を颯真としていたのだ。そういうとこ、学生の彼は抜かりない。



「柊華、用意できたかー?」

「ま、待って、まだメイクが……」

「はあああ、ほんと女ってメシ行くだけにも準備に時間かかるよなあ。めんどくせー」

「………」



ほんとさあ、なんでこんな男がモテんのかねー。颯真の歴代の彼女たち、かわいそすぎるんですけど。
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