冷徹なカレは溺甘オオカミ
「……やっぱり、そうなんですね」
無言のわたしを見て、彼は肯定だと受け取ったらしい。
少しだけ、掴まれた手首に力がこもった。
「柴咲さん、それは、警察に通報するべきです。今日が初めて、というわけではないんでしょう?」
「……そうだけど。でも、警察は大げさなんじゃ」
「甘いです。何かあってからじゃ、遅いんですよ」
また彼の手の力が強くなったから、ぴくっと指先が反応してしまう。
……わざわざ、エレベーターの中で引き止められて。
こんなこと言われるなんて、思ってもみなかった。
「……そもそも、あのバラが本当にわたし宛てなのかもあやしいし。きっとそのうち、来なくな──」
「聞いてください。あなたが心配だから、言ってるんです」
真剣な声音で諭されて、カッと頬に熱が集まった。
……なんで。なんでなんでなんで。
なんできみは、そんなふうに、わたしにやさしくするの?
「や、めて……」
うつむいたまま、小さく首を横に振る。
「やめて、印南くん。もう、わたしに関わらないで」
「柴咲さん、」
「もうやだ、もう、なんで、こんな……っ」
無言のわたしを見て、彼は肯定だと受け取ったらしい。
少しだけ、掴まれた手首に力がこもった。
「柴咲さん、それは、警察に通報するべきです。今日が初めて、というわけではないんでしょう?」
「……そうだけど。でも、警察は大げさなんじゃ」
「甘いです。何かあってからじゃ、遅いんですよ」
また彼の手の力が強くなったから、ぴくっと指先が反応してしまう。
……わざわざ、エレベーターの中で引き止められて。
こんなこと言われるなんて、思ってもみなかった。
「……そもそも、あのバラが本当にわたし宛てなのかもあやしいし。きっとそのうち、来なくな──」
「聞いてください。あなたが心配だから、言ってるんです」
真剣な声音で諭されて、カッと頬に熱が集まった。
……なんで。なんでなんでなんで。
なんできみは、そんなふうに、わたしにやさしくするの?
「や、めて……」
うつむいたまま、小さく首を横に振る。
「やめて、印南くん。もう、わたしに関わらないで」
「柴咲さん、」
「もうやだ、もう、なんで、こんな……っ」