冷徹なカレは溺甘オオカミ
毛布と掛け布団にしっかりとくるまれているわたしたちだけど、その中はお互い下着姿となんとも頼りない感じだ。

けれどわたしより先に起きていた彼がエアコンをつけてくれていたらしく、多少肩が出ていても寒くはない。



「──ところで、柊華さん」



自分の口を塞いでいるわたしの手をあっさりどけながら、彼が淡々と話す。



「今日はもう、12月26日ですよ。……誕生日、おめでとうございます」

「あ……」



予想外の言葉に、目をまるくした。


そうだ。昨日がクリスマスだったんだから、一夜明けた今日は26日。

わたしの、29回目の誕生日だ。



「ありがとう。前に言ったの、覚えててくれたんだね」

「そりゃあ、すきな女性のことですからね」



答えた大智くんが、わたしのひたいにキスを落とした。

『すきな女性』。彼の言葉に、わたしはまんまと顔を熱くする。



「せっかくなので、今日は柊華さんの誕生日祝いをしましょう。まあついでに、クリスマスもやりますか」

「……わたし、クリスマスの方を『ついで』って言ってもらえたの、初めて」

「じゃあ俺、柊華さんの“クリスマスついでバージン”もいただいたんですね」

「なにそれ」



くすくす笑うと、大智くんもゆるく口角を上げた。

やわらかい朝の空気の中、そんな表情をする彼はとてもかっこよくて。

つい見とれて胸をときめかせていた隙に、なんだか彼が不穏な動きをし始める。
< 243 / 262 >

この作品をシェア

pagetop