冷徹なカレは溺甘オオカミ
「わたし、そんなにひどい飲み方してた?」
「ひどいというか。まあ、今日は飲む量多いなとは思ってましたけど」
前を向いたまま、あっさり彼はそう話す。
……印南くんって、まわりのことよく見てるんだなあ。
うーん、というか、まつ毛長いなあ。
あごのラインがシャープで、鼻筋が通ってて。
綺麗な顔、してるなあ。
ぼーっとその横顔をガン見していると、さすがに不躾な視線に気がついたのだろうか。
ふと彼がこちらを向いたから、心臓が大きく鳴った。
うわ、うわ、どうしよう。
なんで見てたかって訊かれても、言い訳なんて思いつかない。
だって、そこに印南くんの顔があったから。だから、つい、見つめてしまった。
あ、もしかして、気味悪がられちゃった?
じっとわたしと視線を合わせたまま、その目もとが、少しだけ細められる。
「……もしかして。何か、嫌なことでもあったんですか?」
「──、」
……びっくり、した。
印南くんって、こんな声も、出せるんだ。
顔は、普段通りの無表情なのに……いつもの堅い口調じゃなくて、もっとやわらかくてやさしくて、どこか甘さを含んでいて。
なんだか、思わずなんでも聞いてもらいたくなってしまうような……そんな、声。
こくりと、唾を飲み込む。
「ひどいというか。まあ、今日は飲む量多いなとは思ってましたけど」
前を向いたまま、あっさり彼はそう話す。
……印南くんって、まわりのことよく見てるんだなあ。
うーん、というか、まつ毛長いなあ。
あごのラインがシャープで、鼻筋が通ってて。
綺麗な顔、してるなあ。
ぼーっとその横顔をガン見していると、さすがに不躾な視線に気がついたのだろうか。
ふと彼がこちらを向いたから、心臓が大きく鳴った。
うわ、うわ、どうしよう。
なんで見てたかって訊かれても、言い訳なんて思いつかない。
だって、そこに印南くんの顔があったから。だから、つい、見つめてしまった。
あ、もしかして、気味悪がられちゃった?
じっとわたしと視線を合わせたまま、その目もとが、少しだけ細められる。
「……もしかして。何か、嫌なことでもあったんですか?」
「──、」
……びっくり、した。
印南くんって、こんな声も、出せるんだ。
顔は、普段通りの無表情なのに……いつもの堅い口調じゃなくて、もっとやわらかくてやさしくて、どこか甘さを含んでいて。
なんだか、思わずなんでも聞いてもらいたくなってしまうような……そんな、声。
こくりと、唾を飲み込む。