冷徹なカレは溺甘オオカミ
どうやらわたしは、人に言わせると“綺麗系ハーフ顔美人”、らしい。

日本人離れした彫りの深い顔立ちは、たぶん父方の祖母がスコットランド人ってとこから遺伝してるんだと思う。

そう、つまりわたし、クォーターってやつなんです。日本語しか話せませんけど!

この顔だから、街でもよく外国人に話しかけられたりするんだよね。言葉も中身もバリバリ日本人でスミマセンって感じ。

ちなみにわたしは3人姉弟だけど、姉も弟も同じようなくっきり顔だ。


しょっちゅうまわりから「美人だね」「綺麗だよね」なんて言われていれば、年頃になったとき『ああ、自分の顔って世間一般的には美人な部類なんだ~』って気づいてしまう瞬間が訪れる。

わたしの場合、それは中学1年生のときで。
スコーンと、そりゃもう唐突に、『あーそうかそうか』って、理解してしまった。

まあ、そりゃあ人に褒められれば、日本人の美徳として謙遜は欠かさないけど……今さら男の人に「柴咲さんて美人ですね」と言われたところで、羞恥心だとかうれしいという気持ちはそうそう起きない。

口では「そんなことないですよー」なんて言いながら、心の声は『そりゃあ、美人に見えるように気ぃ使ってるもの! 美人って思われなきゃやってられないわ!』ってなもんよ。

というのも、わたしは自分の容姿に対するまわりの評価を自覚して以来、“美人”をキープするための努力を欠かさずしている自負があるから。

いくらベースが人に褒められるようなものだって、きちんと磨き続けなればそれは意味がない。

美肌のためにビタミンはたくさん摂るようにしてるとか、睡眠時間はたっぷり確保するとか、体型維持のため休みの日はよくウォーキングに出かけたりとか、自分に合うメイクの研究とか。


……だって、昔から「柊華(しゅうか)ちゃんは美人だね」と言われ続けるうち、わたしは早々に悟ったのだ。

ああ、わたしの売りは“美人”ってとこしかないんだな、って。

そこをなくしてしまったら、わたしにはなんにも残らないな、って。
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