冷徹なカレは溺甘オオカミ
「まあまあ、本人がこう言ってることだし、柊華ちゃんだっていい大人なんだから。それ以上は余計なおせっかいなんじゃないの?」

「……ま、やっちまったもんは仕方ねーからな」



剣呑な顔で舌打ちをする颯真だけど、なんとか納得はしてくれた様子。

……よかった。颯真って、怒らせるとすっごく面倒くさいからなあ。

心配してくれてるのはわかるんだけど、わたしだって一端の大人なんだから、放って欲しいときもあるのだ。


ほっと胸をなで下ろすわたしの肩を、なんだか含みのある笑みを浮かべたお姉ちゃんがつついてきた。



「ねぇねぇ柊華ちゃん、これで晴れて、バージン卒業したわけだけど」

「うん?」

「初めてのえっち、どうだった? ちゃんと楽しめた?」

「た……っ」



あけすけなその質問に、かあっと顔が熱くなってしまう。

そんなわたしを見てさらに笑みを深めたお姉ちゃんが、なぜかそのまま抱きついてきた。



「やーん、柊華ちゃんカワイイ! 今まで柊華ちゃんとはこういう話できなかったから、うれしいな~」

「い、いいよ別に、しなくても……っ」

「でもそれ、俺も気になる。相手は童貞じゃなかったんだろ? どうだった? テクとか」



……ほんとに、この姉弟は……。

なんでこう、オブラートに包むとかむしろその話題には触れないでおくとか、そういった類いの気遣いをしてくれないんだろうか……。
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