冷徹なカレは溺甘オオカミ
『かわいい、柊華さん。気持ちいいことに素直なひとは、好きですよ』



……う、わああああ!!

なにあれ、なにあの印南くん!!

あの子って、そんなこと言うキャラなの?! いやあの、ああいうことしてるときはあれくらい普通なのかもしれないけど!!

でもまさか、彼の口から『かわいい』なんてセリフが出てくるなんて……!



「柊華、顔真っ赤」

「う……」

「あーあ、あたしにもそんなときあったなー、なつかしいな~~」

「いや、瑛奈は昔から肉食全開でガツガツしてだろ」

「えーそんなことないし!」



ぷうっと頬をふくらませたお姉ちゃんが、颯真の肩を軽く叩く。

アラサーでもそんな仕草が似合ってしまう柴咲 瑛奈嬢、すごいわー。

若干尊敬の眼差しで見つめていれば、お姉ちゃんは再びくるりとわたしに目を向けた。



「ふふふ、でもよかった。柊華ちゃんのハジメテの相手が、まともそうな人で」

「……まあ、」

「カラダの相性とか、上手い下手とか、やっぱりあるもん。その点、きっと柊華ちゃんとその人は、ぴったりだったんだよ!」

「ぴ、……あ、相性って……」



なんともいえない気持ちで、クッションを抱きしめながら視線を泳がせる。

……あのとき、痛い痛いと泣きじゃくるわたしをうまいことなだめすかして、リードしてくれた印南くん。

やっぱり彼は、“上手い”人、だったのかな。



『いっ、いた、痛い……っ』

『大丈夫、柊華さん。俺に任せて、力抜いて』

『う……大智、くん……』

『ん、そう、その調子。いい子ですね、柊華さん』



……だっ、だから出てくるなーーー!! あのときの映像と音声ーーーっ!!!
< 71 / 262 >

この作品をシェア

pagetop