冷徹なカレは溺甘オオカミ


◇ ◇ ◇


また、月曜日がやってきた。

つまりは平日。つまりは仕事。

小奇麗なエレベーターに上へ上へと運ばれながら、わたしは人目もはばからず盛大にため息を吐いた。


……オフィスで印南くんと顔合わせたら、どうしよう。

いや、『顔合わせたら』っていうか、絶対合わせるんだってば。

悩むまでもなく、今まで通り普通に同僚として接するだけでいいんだってば。

できるかな、わたし。……いや、やるんだ、柴咲 柊華!


心の中で自分に気合いを入れたところで、エレベーターが目的の11階に到着。

よし、と小さくうなずき、わたしはフロアへと足を踏み出す。



「あれっ、柴咲さん前髪切ったんですか? 似合ってますー!」



オフィスに入るなり、わたしを見た数人の同僚たちにそんな感じで声をかけられた。

当たり障りなく言葉を返して歩いていくと、営業第1グループのデスクの島に印南くんの姿を見つけてしまって、心臓がドキッとはねる。

だけど、今わたしが歩いている通路から、彼のいるデスクまでは遠い。

わざわざ声をかけるまでもなく視線を逸らして、そのまま更衣室へと足を進めた。
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