冷徹なカレは溺甘オオカミ
お昼休みに入ると、このフロアはかなり人がまばらになる。
だいたいの人がこのビルに入っている食堂や、外にある飲食店へと向かってしまうからだ。
家からお弁当を持参する人でも、このオフィスで食べる人は少ない。16階に、オシャレなカフェスペースがあるからだ。
そんなわけで、わたしのようにいつも手作りのお弁当を持ってきてなおかつデスクで広げるような人、ここではめずらしいんだけど。
「……印南くん、今日は外に食べに行かないの?」
いつもは先輩社員に連れられて、すぐにオフィスを出て行く隣りの席の彼。
だけど今日はデスクについたままコンビニ袋をごそごそし始めたから、つい声をかけてしまった。
「矢野さん、朝から外出してますし。たまにはここで簡単に済ませます」
「そうなの」
袋から出したサンドイッチのパッケージを開けながら答えた印南くんに、努めてシンプルな言葉を返す。
……オフィスに残っている人はまばらで、しかもそれぞれイヤホンをしたりパソコンとにらめっこしていたりするから、わたしたちの会話なんて気にしていないはず。
それでもなんとなく、あまり親しくしているのもよくない気がして、自然と声も小さくなった。
そんなわたしの心情に気づいているのかいないのか、隣りの印南くんはいつもの無表情でたまごサンドにパクついていて。
なんかちょっとかわいい、と一瞬考えてしまった自分の思考を、あわてて頭の中から消し去った。
だいたいの人がこのビルに入っている食堂や、外にある飲食店へと向かってしまうからだ。
家からお弁当を持参する人でも、このオフィスで食べる人は少ない。16階に、オシャレなカフェスペースがあるからだ。
そんなわけで、わたしのようにいつも手作りのお弁当を持ってきてなおかつデスクで広げるような人、ここではめずらしいんだけど。
「……印南くん、今日は外に食べに行かないの?」
いつもは先輩社員に連れられて、すぐにオフィスを出て行く隣りの席の彼。
だけど今日はデスクについたままコンビニ袋をごそごそし始めたから、つい声をかけてしまった。
「矢野さん、朝から外出してますし。たまにはここで簡単に済ませます」
「そうなの」
袋から出したサンドイッチのパッケージを開けながら答えた印南くんに、努めてシンプルな言葉を返す。
……オフィスに残っている人はまばらで、しかもそれぞれイヤホンをしたりパソコンとにらめっこしていたりするから、わたしたちの会話なんて気にしていないはず。
それでもなんとなく、あまり親しくしているのもよくない気がして、自然と声も小さくなった。
そんなわたしの心情に気づいているのかいないのか、隣りの印南くんはいつもの無表情でたまごサンドにパクついていて。
なんかちょっとかわいい、と一瞬考えてしまった自分の思考を、あわてて頭の中から消し去った。