この恋心に嘘をつく

優理子が気を使って、話題を探してくれている。


「安生さんは、アルバイトじゃ不満なんですか? 時給、結構高い、って聞いたんですけど」

「うちのコンビニは、働き次第で時給アップしてくれるからね。その点は感謝してる」


クリスマスケーキの予約とか、おせちの予約とか、頑張って獲得したなぁ。

しみじみと思い出す。


「でも、正社員がいいんですね」

「そりゃあ、社会的にも保証されてるし。どれだけ時給が高くても、私は結局フリーター」


空気が更に、重くなったような気がする。


「関さんは? 就職、どうするの?」

「私ですか? 私はまだ、大学1年ですし、まだ考えてはいないですけど……」

「――ちゃんと考えとかないと、私みたいになるよ」


自虐的な言葉は、笑いを誘いたいのか、それとも怖がらせたいのか。

判断に困る。


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