この恋心に嘘をつく
「ありがとう、心配してくれて」
「当たり前ですよ!」
自分を心配してくれる優理子の気持ちが嬉しくて、つい笑ってしまう。
「店長は?」
「来てますよ。本当は明日来るって言ってたんですけど、安生さんが追いかけていきました、って言ったら、慌てて来ました」
「怒ってた?」
「心配してました」
いろんな人に迷惑をかけてしまった。
反省しながらも、笑顔のまま。
その後、事務所で待っていた店長に、こっぴどく叱られた。
怪我をしたらどうする。
無鉄砲すぎる。
何にもなくて良かった。
叱られていたのに、全然怖くなかった。
むしろ嬉しくて――不謹慎かもしれないけれど、自分はどうでもいい人間ではないのかもしれない。
そんな風に思えて、つい口元がにやけてしまう。