この恋心に嘘をつく
「……次の面接どうしようかな」
カップを置き、見ないようにしていた紙を、もう一度手に取る。
不採用が続くと、さぁ次! っていうやる気とかがすぐにはわき上がってこない。
「しばらく、休もうかな……」
「体調でも悪いんですか?」
急に暗くなって、凛子は慌てて顔を上げた。
「あ――」
「……顔色は悪くないみたいだけど?」
微笑みながら、彼は凛子の顔をのぞき込む。
明るい場所で改めて見てみると、やっぱり綺麗な顔をしている。
スタイルもいいし、何よりも、醸し出す雰囲気が、妙に艶っぽい。
「もしかして、また分からない?」
「あ、わかります。缶コーヒーの人、ですよね」
「正解。安生さんは、今日はお休み?」
何故か向かいの席に座る男性に、凛子は慌てて面接結果の紙を隠す。