この恋心に嘘をつく
「大丈夫です。あ、一万円からお願いします」
(――ブランドものだ)
袖口からチラッと見えた腕時計。
よくよく見れば、スーツも高そう。
コンビニに来るようなタイプには見えない。
「一万円お預かりします」
「すみません、これも一緒に」
缶コーヒーがひとつ、追加される。
「ありがとうございます。こちらもシールで――」
「あげます、それ」
「……え?」
シールを貼ろうとした手が止まる。
「お客さま、あの……」
「お疲れ様」
颯爽と去っていく様を、つい、先程の酔っぱらいと比べてしまった。
雲泥の差だ。
月とスッポンだ。
同じ男なのに、こうも違うのか。
「……」
「あの、いいっすか?」