今日こそ絶対に自殺します。






ーーー中学に入学してから1年が経った頃。




「たっちゃん」


「なに?」


「ーーーまた背伸びた?」


「…え、そう?」




俺は光に度々そういうことを言われるようになった。




「それに、声も低くなってる」


「そう…なのかな…」




自分ではあまり自覚がなかった。


だけど、光だけではなく、それは周囲の人みんなに言われるようになっていたのだ。





「千崎先輩、めっちゃかっこいいよね!」


「頭めちゃくちゃいいし、運動神経も抜群!」


「あんまり喋らないところもクールでかっこいい!」


「噂では、社長の息子らしいよ!?」





途端に後輩や周囲の女子たちは、俺に言い寄ってくるようになった。




「千崎くん!これ受け取って!」


「え、あ…はい…」


「千崎先輩!この手紙読んでください!」


「あ…ありがとうございます」





毎日のように感じる視線、週に数回はもらうラブレター。




ーーーこれが……モテるってことか?




教室で『好きです』と書かれた手紙を読みながら、俺はふとそんなことを思うようになっていた。












「………」



悲しげな表情を浮かべて、廊下から俺を見つめる光に気が付くこともなくーーー





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