今日こそ絶対に自殺します。





「スー…スー…」


「………」



俺は静かに顔を近づけていった。


光の息がかすかに顔に当たるーーー








「……っ!」


唇が触れそうなところで、俺は我に返って顔を離した。


そして立ち上がり、光から少し距離をとる。






ーーーなんだったんだ、今の……




ーーーいや、


なんだったんだって言い方はおかしい。




中学二年生になってしまった俺は、これがなんだったのかを知っていたーーー








俺は光にーーー



キスしようとしたーーー










ーーードクン


ーーードクン




心臓の鼓動が嫌というほど大きくなる。




俺は溢れそうな気持ちを抑えながらも、光に目を向けた。



そして、一歩一歩近づいてゆくーーー






勉強机の上に乗った光の小さな手に、俺はそっと自分の手を被せた。



「……っ」



俺は驚いた。


ついこの間まで、同じくらいの大きさだったはずなのにーーー




俺の手は光よりも遥かに大きかったのだ。





被せた手で、優しく光の手を包み込んで行くーーー



光の冷たい手が、俺の温かい体温と混じる。











『好きです』


『付き合ってください』



さんざん言われ、さんざん読んだ言葉。





「………」



今はそんなちっぽけな言葉よりも、



『ーーーたっちゃーん!!』



君一人だけがほしい。









「光……」








俺は、





























光のことが好きだ。








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