爆笑カップルでやってみよう。


受け取ったボールをコートの中の誰かに渡した美丘は「ちょっと朔借りまーす」と言って、俺の腕を引っ張り体育館を出た。



俺はだるくて口から何かを発することも出来ず、黙って美丘に引きづられた。




着いたのは保健室。
先生はいなかったが、美丘は確か保健委員。慣れた手つきで俺に体温計を渡した。




「しんどかったんなら体育始まる前に保健室来たら良かったのに。」




「……ん。」




「顔も赤いし息も荒い。そうとうしんどいでしょ?

ほら、ベッドすわっ………」







俺はほんと情けない。ベッドに行く余裕もなく、美丘の肩に頭をのせ、体重を預けた。



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