いつだって僕らは
先生と話し終えたらしく、自分の席へひょこひょこと戻る藤谷。

「さっき、あたしの話してたでしょ」

自分の席に座って、寝ようとした藤谷にあたしは言った。というか、自分の好きな教科なのに寝ようとするなんてどういうことだ。

「うん、話してたよ。雪島先生も文通は素敵ですねぇって言ってたし」

「ていうか、あたしが初恋まだって事なんで知ってるの!?」

藤谷は「それも聞かれていたのか」と少し焦った表情を見せた。

「柚維と話してりゃ分かるよそんなの」

あくびしながら藤谷は言った。本当に、のん気な奴だ。
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