いつだって僕らは

そして藤谷はおにぎりを持ったまま、まだ食べずにいた。いつもならすぐに食べるのに。
あたしの小さな手の中では大きく見えたおにぎりが、藤谷の大きな手の中だと小さく見えた。

「柚維が、いなくなっちゃった」

遠くのほうを見ながら、藤谷は言った。今まで見たことのないような横顔で、あたしは思わずお弁当箱をしまっていた手を止めた。

あたしは、そんな藤谷に何と言ったらいいか分からなくて黙り込んでしまった。
二人とも無言で、雲と共に、時間が流れていく。

「あぁ・・・・・なんかごめんな」

「え?ううん、大丈夫だよ」

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