サンドリヨンに憧れて
「ご・・ごめん・・なさい」

「もう一回浴び直しておいで・・待っとくから」

「あ・・はい・・」

「それとも・・一緒に入ろうか?」

「けっ・・けっこう・・です」

慌ててお風呂へ向かう私を見て後ろでくすくすと笑っていた。

もう最悪や・・・テンパってこんなことになるなんて・・

身体を洗い直して今度はちゃんと着替えてリビングへ行くと

ソファーに座って父が置いていったお酒の本を読んでいた。

「お待たせしました・・・」

「ちょっとここに座れ」

「へ?」

「ええから・・」

近づくと私を膝の上に跨らせて向きあうように座らされた。

これって結構近いからドキドキと心臓が打つ音が聞こえそうだった。

「香澄・・・俺ってな・・こんなに心配症じゃなかったのに・・
お前のことになったらあかんみたいやな・・」

「え?・・・」

「やっぱり・・・一緒におりたい・・」

私の胸元に顔をもたれさせながら言った一言は彼の見たことない一部だったかも・・

「孝男さん・・・」

身体に回した腕に自然とギュッと力を入れてしまった。

「・・・香澄・・・・ごめん・・やっぱり今の取り消し」

「え?」

「・・俺の我が儘や・・すまん」

顔を上げていつもの笑顔で私の頭を撫でていた。
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