サンドリヨンに憧れて
途中で席を立ちトイレに行くと、同期女子の話声が聞こえてきた。

「ねぇ・・さっき杉田さんと有紀が二人で話をしてるとこ見たんよ・・」

「え?企画の王子も陥落?・・」

「大丈夫・・まだ加藤さんが残ってるって・・」

「じゃ・・後で行ってみようよ・・間違えたと言って」

「いいかも・・」

丸聞こえの声を黙って聞いていると有紀がやってきて笑っていた。

「香澄・・・あんたもヤバそうやね」

「有紀・・・あんたそうなん?」

「違うわ・・勘違いされてる」

「私はどう見てもお似合いやと思うけど・・・」

「香澄・・あんた喧嘩売ってる?」

「え?ちゃうの?」

「あれは戦友みたいなもん・・なんで杉田さんが私みたいな女がええの?
絶対ありえへんわ」

「有紀・・杉田さんのこと全く気がないの?」

「無い」

「・・・なんか杉田さん可哀想・・」

「は?何それ」

「有紀もそのうちわかるわ・・」

肩をたたいていると、久保さんが向こうからやってきた。

「香澄ちゃん・・ちょうどよかった。加藤・・来られへんようになった」

「え?」

「急用ができたらしい・・」

「あ・・そうですか・・」

それが後で大変なことになるとは思ってもいなかった。


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