サンドリヨンに憧れて
無言のままリビングのソファーに座り

何をどう言って彼にどう伝えたらいいのか黙って考えていた。

荷物を置いて私の横のゆっくりと座り、私の肩そっと抱いて

体を寄せた・・・。

「なぁ・・香澄・・・」

「何・・」

「・・・山田に何もされてないか?」

「大丈夫やから・・・」

「俺って・・こんな奴じゃなかったはずやのに・・・」

はぁーっと大きなため息をつきながら私の頭を撫でながら天井を見上げていた

「え?・・・どういう意味?」

「彼女のことになったらこんなにもあかんたれになるかってな・・」

「あかんたれ?孝男さんが?」

思わず顔を見てしまった。

「香澄のことになったら・・・俺あかんみたいやな・・」

少し顔を赤らめている彼の顔にドキッとした。

「山田が連れて出たと聞いた時、初めて部下に怒りを覚えた。冷静にしている
つもりやったけど・・・周りは相当ヤバいって思ってたらしい・・・
黒田さんがな、初めて課長のそんな素振りを見ましたって言ってた」

体をぎゅっと抱きしめる力の強さが私のことを心配していたんだと思った。

「孝男さん・・私が好きなのは・・孝男さんだけやから・・・」

今度は私が自分の腕を回してぎゅっと抱きしめると、ふっと笑った声が

耳元で聞こえた。

「香澄の気持ちより俺のほうが上やけどな・・」

見つめながら私の顎をそっとあげてそのまま唇を重ねた・・・
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