サンドリヨンに憧れて
まだ気怠い身体を起こしてシャワーを浴びようと洗面所の鏡の前に立った自分を見て

ぎょっとした。

「嘘やろ・・こんなにも・・」

身体中に着いた赤い跡・・・まるで花びらみたいだった。

「これは・・拙いわ・・」

首元はコンシーラーがいりそうやし・・・背中は見られたら拙い・・

胸元は・・・はぁ~とため息しか出なかった。

洗面所の扉が開き、満足そうに入って来る彼を睨んでしまった。

「孝男さん」

「見えへんやろ?」

「もう・・・首はアウトやわ」

「あ・・ごめんな」

「ごめんで済んだら警察いらんわ」

「懐かしいな・・それ」

「もう・・人が怒ってんのに・・あほ・・」

「あほでええよ。いっそのこと隠さんと堂々とみせたらどうや?」

私の首筋を指でスーッと撫でて笑いながら先に2階へ行った。

「女には色々と事情ってのがあることわかってないな・・」

ため息をつきながらシャワーを浴びた後、コンシーラーでしっかりと首元の跡は消して

仕事へいく準備に取り掛かった。


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