サンドリヨンに憧れて
持ってきた荷物を整理してベットに座りひと休みしていると

浴衣姿の孝男さんがドアを開けて入ってきた。

慰安旅行で見たことのある姿なのに、今日の姿は艶っぽく見えた。

濡れた髪のせいかもしれない・・ドキッとしてしまった。

「お先に・・香澄の入っておいで・・」

「あ・・はい・・」

洗面所の扉を開くと、そこにも綺麗な内風呂があるのに、露天風呂まであるとは

ものすごく贅沢・・・私じゃ来れない・・そう思った。

露天風呂の扉を開けた時、ものすごく贅沢な時間を味わっているなと思った。

ゆっくり浸かりじっと目を瞑りこの数日間のことを考えていた。

みんなの憧れ王子だった課長が本当の王子様で、それが私の彼になって

その彼の過去の恋愛話を聞いて・・その元彼女は病気・・・

私が憧れていたサンドリヨン・・・最後はハッピーエンド

でも私のストーリーはそうではないような気がした。

やっぱり気になるあの女性・・・晴香さん・・・

そんなことを考えながら入っていた私は彼が心配して覗きていることに

気づいていなかった。

「香澄・・大丈夫か?」

「え?あ!ごめんなさい・・すぐ出ます」

湯船から慌てて出るとバスタオルを広げてくれた。

「倒れてるかと思った・・」

「ごめんなさい・・」

濡れた体をやさしく拭いてくれた後、首筋をそっと唇で触れた。

「待ってるから・・」

そう言った後先に部屋へ戻った。

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