サンドリヨンに憧れて
温泉で温まった所よりも唇で触れられた所のほうが熱く感じた。

何度ドキッとさせらるのかと思いながら浴衣に手を通し髪を上げて部屋に戻った。

すでに料理が並べられていて、私がかなり長湯をしていたことをそれで知った。

「孝男さんごめんなさい・・長湯して・・・」

「さっき並べたところやから・・さぁ食べよ」

「はい・・」

今夜は冷酒から始まった。あまり得意じゃなかったので注意しながら飲み始めた。

「香澄・・ゆっくりしような・・」

「うん・・」

美味しい料理とお酒を堪能して、わたしの気持ちも少しづつ解れていった。

「香澄・・・寝る前に風呂入ろうか」

「あ・・はい・・」

こういう所で言われたからかもしれないが言葉が耳から離れなかった。

それにその目で見つめられるだけで私の胸はさらに鼓動が早くなった。

「香澄・・・なんか色っぽいな・・」

「え?」

「何か・・俺のほうがドキドキする・・」

「気のせいです・・」

「ちゃうと思うけどな・・」

もうこれ以上その目で見つめないでほしい・・顔じゅうが熱くなってしまう・・

「孝男さん・・飲み過ぎたみたいなんで・・ちょっと休みますね・・」

「・・わかった」

私はベットに横になり、彼はゆっくりとお酒を飲んでいた。
< 93 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop