サンドリヨンに憧れて
昨日の夜のことで寝不足のはずなのにぱっと目が覚めた。

彼は静な寝息を立てて私を抱きながら眠っていた。

このままじゃ・・起こしてしまう・・でもお風呂へ行きたい・・

起こさないようにとゆっくりと彼の腕をどけたが、反対に

ギュッと身体をよせられてしまった・・

抜け出せない・・・でもチェックアウトも気になるし・・・

ごそごそと下に身体を下げて抜けようとした時、

「何処行くねん・・」いつもより低めの声が聞こえた。

「起こして・・ごめん・・お風呂に行きたくて・・」

「ん・・」

腕の力が緩み私の身体は解放された。

散らばった浴衣を拾い羽織って露天風呂へ向かった。

朝日が差し込む露天風呂は最高だった。

「きもち・・いい・・・」

湯船のなかで足を伸ばし腕を思いっきり上に上げ伸びをした。

昨日の夜の跡が私の身体の所々に赤く残っていた。

その跡を見て昨日のことを思いだし一人顔を赤く染めていた。

「あんな私・・・初めてやわ・・」ぽつっとでた独り言だった。

「・・・何が初めてって?」

その言葉に振り返った。

ゆっくりと湯船に入って来る彼に驚いてぽかんとした表情で見ていた。
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