恋、物語り
ブーブーブーブー
何度も何度も自室のどこかで携帯が震えている。
一定時間震えて、それは消える。
ーー…3日が経った。
心の整理はつくどころか益々歪んでいく。
彼を許す言葉が見つからなかった。
止まることの知らない涙が溢れては流れる。
そんな毎日。
そろそろ学校に行かなきゃ…
一年生の一学期、サボりまくって後半熱を出しても学校に行かなきゃならなくなったことを思い出す。
あんなツライ思いは2度としたくない。
部屋のクローゼットにかけられた制服を着る。
母がアイロンをかけてくれていたからパリっとしたワイシャツ。
それに袖を通す。
携帯は制服のポケットに入っていた。
見ることなく家を出た。
空は晴れていた。
とても綺麗な空だった。
私の心が晴れることはあるのだろうか。
そんなことを考えながら道を歩く。
30メートル先の曲がり角。
そこを曲がるとーー
彼が、立っていたーー…