恋、物語り
返事は5分程で来た。
それも思いがけない内容だった。
「友達と遊んでたら遅くなっちゃった!
今、西2丁目にいるよ。
アヤの家もこの辺だってミツルに聞いた。
同中なんだってね。
会えないかなーなんて思ってチャリ漕いでるよ。
ストーカーとか思わないでね笑]
西2丁目は私の住むところ。
私の家の住所も西2丁目。
突然窓から自転車の音が聞こえた。
…いや、聞こえた気がした。
携帯を片手に窓に近寄り身を乗り出した。
シャーっと道路を駆け抜ける音。
近づく音だけが耳に入る。
少しはねた髪を風になびかせて
颯爽と私の家の前を駆け抜ける人。
まぎれもなく、小林くんだった。
「あ、、
あ……小林くん!!」
大きくもない声で呼んでみたら
キーっとブレーキの音。