恋、物語り



学校までは歩いて30分ほどの距離。
バスで行く人もいるけれど
私はいつも歩いていた。

ゆったりと歩くのが好き。
初夏の臭いが好き。
寄り道したくなるようなウキウキ感が好き。

歩くのは大好きだった。


けれど、今日は違う。
時間ギリギリだから…。

バスに乗ろうかと思ったけれど
バス停で時刻を確認したら
次来るのはまだ先だった。


仕方なく足早に歩く。
すると後ろからパコン!と頭を叩かれた。
頭を押さえて後ろを振り返ると
自転車に跨って私を見るミツルと千夏。

ミツルも千夏も私の地元の友達だ。


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