恋、物語り
お祭り当日の夕方。
着付けの出来る姉の部屋で浴衣を身に纏う。
「アヤ、ダイエットでもした?
ウエスト細くなってる。
タオルはさめなきゃダメだね」
ナツキとの約束の海の為にと
姉のレッグマジックを内緒で使っていた。
その効果が出ていて少し嬉しい。
髪はアップにするより横に流した方がいいね。
と、頼んでもいないのに張り切って私の髪を結う。
姉は可愛い花の飾りをつけて「はい、完成」と背中をポンっと叩いた。
午後5時30分。
そろそろ向かおうと巾着を持って下駄をはく。
履きなれない下駄に転びそうになりながらゆっくり歩いた。
女子力アップって大変なんだなぁ。と
女子高生らしからぬことを考えて
待ち合わせ場所へゆっくりながらも急ぐ。