恋、物語り




小林くんを好きと言ったユウコ。
その子も一緒に遊んでるということを聞いて、少し複雑だった。


「お前、そういうこと軽々言うなよ」
中島くんが彼女の頭をコツンと叩いた。
彼女は「ごめん!でも、クラスみんな一緒だし、ね!」と私に同調を求めた。


「うん。そうだよね。気にしてないよ」
明らかに気にしています。という表情をしているだろう。

でも、私だって他の男の人と話してた。
ナツキと彼氏が2人の世界だからと、話せる人はシンさんしかいないと、そう言い聞かせて。
けれど、結構楽しくお話ししていた。


そんな罪悪感も確かにあった。



でも…

でも……


今頃、どこで誰と何をしているの?


そんな思いがグルグルと頭を巡る。
本当に自分は自分勝手だと感じる。


「立花さん、コバは立花さんだけだよ。
変な心配したらダメだよ」

優しい口調。
彼女が隣にいるのにお構いなしに私の顔を覗いて言った。
そんな行動を彼女は全く気にしていない。
むしろ「そうそう。コバは立花さん一筋だから」と笑っている。



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