痛々しくて痛い
最初懸念していた程浮きまくる事もなく、皆さんとの会話も何とか成立しているし、『この分なら仕事する上では差し支えないな』なんてすっかり安心しきってしまっていて。


こういった事態を全く想定できていなかった。


麻宮君への対応の仕方については、これからの彼の動向を見守りつつ考えようと思っていたのに。


しょっぱなからこのシチュエーションは過酷にも程がある。


ああ、皆さん、早く帰って来て下さい!


「あ、そこに置いてあるやつ、適当に飲んで良いってさ」


懇願むなしくまだまだ誰も戻りそうにない中、あろうことか、麻宮君はそう言いつつ私の傍まで近付いて来た。


「コーヒー、紅茶、緑茶は定番だろうけど、昆布茶まで用意してあるんだぜ。すごくね?」


「あ、ほ、ほんとだ…」

「俺は緑茶にした。握り飯だし。出勤前に買っといたんだ。初日はバタバタして疲れそうだから、昼休み中にあんまあちこち動き回りたくないと思ってさ」

「は、はぁ…」


何だかもう何をどのように返せば良いのか分からなくなってしまった。


『ど、どうしよどうしよ』と焦りつつ、ひとまず緑茶の缶を手に取る。


蓋を開け、中身が茶葉ではなくて粉茶である事に気が付いた。


ああ…でも、これなら急須を使わずにパパっと手軽に淹れられるし、余計な洗い物も出ないから、とってもコンビニエンス。
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