痛々しくて痛い
「俺の写真を突き付けた時の、アイツらのあの鬼の首を取ったかのような顔。今思い返してもすっげーイライラムカムカするわ。ああいう好戦的なタイプが真々田屋に入って来るなんて珍しいよな。基本、大人しくて穏やかな人ばっかなのにさ」

「…ごめんなさい」


心底ヘコみつつ言葉を繰り出した。


「やっぱり、そうなったのは私のせいで…」

「え?い、いや、だから、違うって」


麻宮君は早口で捲し立てた。


「アイツら、俺をこき下ろすチャンスをずっと窺ってたんだよ、きっと。そんでウマイこと、卒業アルバムの中にその格好のネタを見つけたってだけの話で」


被害者の麻宮君に、こんなに必死にフォローをさせてしまうなんて…。


「つまり綿貫はくだらないイザコザに巻き込まれた側の立場なんだから。謝る必要なんかないんだって」


さらに申し訳ない気持ちになってしまった。


「卒業アルバムなんてあんな重くてかさばるもの、持ち運ぶの大変だっただろ?研修に参加してるってだけでもう、日々精神力が消耗して行ってるってのに、余計な労力を使う羽目になって。自分を振った相手に仕返しする為だけに、無関係の人間を平気で利用できる渡辺のその無神経さに超カチン!と来てさ。それであの時、思わず怒りが爆発しちまったんだよ」


だから私は何も言えないまま、麻宮君の話に静かに耳を傾けていた。
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