痛々しくて痛い
「俺としては『こんな奴らの言うことなんかきく必要ない』って綿貫に訴えて、同時にアイツらに『今後二度とこういうことはするなよ』って、牽制したつもりだったんだ。でも…」


ずっと興奮気味だった麻宮君は、そこでちょっとトーンダウンした。


「言い方を間違えたよな。確かにあれじゃ、まるで綿貫を責めてるみたいな感じになっちまってた」

「え…」

「俺の方こそ、無神経でゴメン!」


言いながら、麻宮君は勢い良く頭を下げた。


「こんな長きに渡って、綿貫のこと悩ませるような事しちまって」

「あ、そ、そんな」


今度は私が慌てふためく番だった。


「顔、上げて下さい。麻宮君がそんな事する必要ないですから」

「いんや、バリバリある」

「ありませんよ。麻宮君は全然悪くないのに」

「綿貫こそ悪くない」

「と、とにかくやめて下さい。困ります。こんな事されたら」


「……だったらさ」


そこで麻宮君は顔を上げた。


「もう、お互い様ってことで、良くね?」


ちょっぴり照れくさそうな笑みを浮かべつつ。


「それぞれ謝罪して、それをしかと受け止めたって事で。この話はもう、ここで終わりにしないか?」

「え?あ…」

「キリがねーからさ。以後、『俺が悪い』『いやいや私が』っていうやり取りはなしにしよう。な?」

「は、はい。そうしましょう!」
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