痛々しくて痛い
私はコクコクと頷きながら力強く同意した。


……良かった…。


本当に、心の底から良かったと思う。


嫌われていた訳じゃなかったんだ。


むしろ私の為を思って、麻宮君はあの時、ああいう言い方をしてくれていたんだ。


その事実に気付く事ができただけでもう、嬉し過ぎて感極まり過ぎて、思わず声を上げて泣き出してしまいそうだった。


それに、せっかく麻宮君がエレガントに話を終結させようとしてくれているのだから、その心意気を無駄にするような事はしたくない。


彼の提案通り、エンドレスな謝り合戦を仕掛けるのはもうやめよう。


「つーかさ」


すると麻宮君はそれまでとは声音を変えて、軽い口調で言葉を紡いだ。


「綿貫お前、また敬語に戻ってるじゃん」

「え?あ…」

「前にも言ったよな?タメ口で良いって。しかもこれからは同じ部署で切磋琢磨して行く同士なんだから。変な気遣いはやめろよな」


同士……。


その言葉のチョイスに、またもや胸がじんわりと熱くなった。


まさかこんな幸せな感情に満たされながら、麻宮君と対峙できる日が来るだなんて。


気分がグングン上昇し、今までたどり着く事のなかったステージまで到達した。


初めて見る景色だから、その名称は分からないけれど。


「あ、ゴメン。お茶淹れの途中だったよな」
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