痛々しくて痛い
そのままお腹を抱え、身悶えしながら、麻宮君はフハハハッと笑い続ける。


え?な、何で?


私、そんなにおかしな事、言ったかしら?


日本に古来より伝わる、慣用句(?)ことわざ(?)とからめて、自分の心情を吐露しただけなのに…。


「な、何だっ?」

「どうしたの?麻宮君」


するとその時、とても困惑したような男性2人の声が、左後方から響いて来た。


すぐに予想はついたけれど、視線を向けると案の定、染谷さんと大庭さんがドア付近に目を丸くして立っている。


そんな彼らの肩越しに、室内を覗き込んでいる絹田さんの姿も見て取れた。


若干不思議そうではあるけれど、二人に比べれば大分落ち着いた表情だ。


売店で遭遇し、買い出しを終えた後、3人一緒に戻って来たのだろう。


「い、いや、綿貫が、すっげー天然で…」


過呼吸一歩手前の状態でありながら、麻宮君は律儀に解説を始めた。


「すっげーすっとぼけたことを、『青少年の主張』みたいな厳かで凛としたトーンで言うもんだから、俺、もう、こらえきれなくてっ…」

「ああ、なるほどね」

「言いたい事は何となく分かる」


絹田さんと染谷さんは『ハイハイ』といった感じで頷きながら歩き出した。


大庭さん一人、ポカンとしていたけれど、気を取り直したように静かにドアを閉めると、2人に少し遅れて自分の席へと向かった。
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