痛々しくて痛い
『しかもその最高峰である漫研の部長にまでなっちゃったし。『アイタタタ……』な感じで見られて距離を置かれるには充分なスペックだったって訳よ』

「で、でも、優子ちゃんは勉強も運動もそつなくこなして、話し方も堂々としていたし、私みたいにヒソヒソクスクスされてたって訳じゃないじゃない」

『そりゃあ、オタクというハンデを背負っている以上、それ以外で突っ込みを入れられような材料を与えないように、気ぃ張って過ごしてたから。それでも一部の女子からの『コイツキモッ。近寄んじゃねーよ』オーラはヒシヒシと感じられたよ』

「えー。そ、そうかなー?」

『そうなんだって。それが異端な趣味を持つ者の宿命なのさ』


何だか優子ちゃんの口調がやけに芝居がかって来た。


『かといって自分のオタクっぷりを隠して生きて行く、という選択肢はなかったんだよね。だって、どうしても「漫研」に入りたかったんだもん。小さい頃からの憧れだったんだもん。とても短く、一生に一度しか訪れない貴重な青春時代に、同好の士達と思いっきりマニアック街道を突っ走るのが私の夢だったんだもんっ』

「え、えと…」

『だから、我が人生に悔いはない!』


優子ちゃんは清々しい口調できっぱりと言い切った後、続けた。


『……悔いはないんだけども、愛実には申し訳ない事をしたな~と思ってるよ。私のせいで巻き添えをくらっちゃったんだからさ』
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