痛々しくて痛い
「うん」

『リア充女子達の目を盗んで…って言い方はおかしいけど、個人対個人で接する機会に恵まれた時には、優しい気遣いを見せてくれる子もいたし。男子達は最初からそんな事は気にせず、普通に接してくれてたしね。特に麻宮君』

「……うん」

『まぁ、彼に関して言えば『気にしてない』というよりも、そもそも『これっぽっちも気付いちゃいなかった』というのが正しいんだろうけど』


そこで優子ちゃんは、おそらく苦笑いを浮かべているんだろうな、という事が窺える声音になった。


『バスケ命で明るく正しい麻宮君は、誰とでも分け隔てなく接してくれてはいたけれど、反対に言えば、一部の人を除き、他人の深い部分にまで踏み込むという事もなかったから。女子間に漂う微妙な空気、緊張感なんて、全く読み取っちゃいなかったでしょうね』


優子ちゃんはこれでもかとばかりに天性のプロファイラーっぷりを発揮している。


『もちろん、それは全然罪な事じゃないし、彼のおかげで何とかクラスの均衡が保てていたんだから、ひたすら感謝の念しかないけどね。とにかく彼も含め、敵ではなかった人の方が多かったとは思ってるよ』

「うん、私も」

『ただ、やっぱり男子よりも女子と関わらなくちゃいけない場面の方が圧倒的に多い訳で、その中で、例え少数だとしても、声が大きい方が主導権を握っちゃうものなんだよね』
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