痛々しくて痛い
「あぁっ。さ、さらにすみません!」
「え?」
「私今、思わず絹田さんのことを名前で…」
ずっと踏ん張っていたんだけど、常日頃飛び交っている大庭さんと染谷さんの『いおり』呼びに、とうとう私も引きずられてしまった。
いや、人のせいにしてはいけないんだけども。
「ああ、何だ。かまわないよ別に」
伊織さんは笑みを浮かべながら続けた。
「これを機に、今日からはもう伊織って呼んじゃってよ」
「え?で、でも…」
「その代わり、私も『愛実』って呼ばせてもらうからさ。『綿貫さん』って、正直言い辛かったんだよね。何だか舌噛みそうで」
「あ。それじゃあ俺も『伊織さん』呼びして良いですか?」
そこですっかり平常心を取り戻したらしい麻宮君が言葉を挟んだ。
「てか、俺ももうヤバかったんですよね。今後、一人だけ頑なに絹田さんで押し通すのはおそらく不可能だろうし」
「OKOK。じゃあ私も『慧人』って呼ぶわ。そういう訳だから、良いよね?愛実」
「は、はい」
こんな風に話がまとまってしまったら、もうそれに抗うのは難しい。
「ちょいちょい!もちろんオレも仲間に入れてくれるんだろーね?」
するとそれまで、何か言いたげな表情で私と伊織さんと麻宮君に忙しなく視線を配っていた大庭さんが、とうとう我慢しきれなくなった様子で会話に割り込んで来た。
「え?」
「私今、思わず絹田さんのことを名前で…」
ずっと踏ん張っていたんだけど、常日頃飛び交っている大庭さんと染谷さんの『いおり』呼びに、とうとう私も引きずられてしまった。
いや、人のせいにしてはいけないんだけども。
「ああ、何だ。かまわないよ別に」
伊織さんは笑みを浮かべながら続けた。
「これを機に、今日からはもう伊織って呼んじゃってよ」
「え?で、でも…」
「その代わり、私も『愛実』って呼ばせてもらうからさ。『綿貫さん』って、正直言い辛かったんだよね。何だか舌噛みそうで」
「あ。それじゃあ俺も『伊織さん』呼びして良いですか?」
そこですっかり平常心を取り戻したらしい麻宮君が言葉を挟んだ。
「てか、俺ももうヤバかったんですよね。今後、一人だけ頑なに絹田さんで押し通すのはおそらく不可能だろうし」
「OKOK。じゃあ私も『慧人』って呼ぶわ。そういう訳だから、良いよね?愛実」
「は、はい」
こんな風に話がまとまってしまったら、もうそれに抗うのは難しい。
「ちょいちょい!もちろんオレも仲間に入れてくれるんだろーね?」
するとそれまで、何か言いたげな表情で私と伊織さんと麻宮君に忙しなく視線を配っていた大庭さんが、とうとう我慢しきれなくなった様子で会話に割り込んで来た。