痛々しくて痛い
綿貫って、一緒に旅行するような彼氏がいたりするんだろうか?


「…麻宮君?」


おずおずという感じのその呼び掛けにハッと我に返る。


「あ、えっと、じゃあさ」


一人焦りながら、何とかそれを押し隠し質問を重ねた。


「クラス会そのものは無理として、プレクラス会には来ないか?」

「プレ…?」

「うん。今度の土曜日に幹事の陣内と吉田が打ち合わせするんだってさ。で、俺もそれに参加するように言われて」

「あ、吉田さん…」


綿貫はポツリと呟いた。


「そっか、女子の方の幹事は吉田さんでしたね」

「……なに?アイツがどうかした?」

「あ、えと、」


内心ドキドキしながらも、ポーカーフェイスで先を促すと、綿貫は顔を綻ばせながら言葉を繋いだ。


「とても、懐かしいな~と思って」

「…ん?」


「吉田さんとはあまり話す機会がなかったけど、卒業間際、家庭科の課題に関する事で色々と相談されて、その時にちょっとだけ仲良くなれたから」

「あ、そーなん?」


ここまでかなり身構えていただけに、そのエピソードを聞いた俺は思わず拍子抜けした。


何だよ陣内の奴。


勝手に綿貫達を仲違いさせてんじゃねーよ。


確かに、あんまり接してなかった期間もあるみたいだけど、最終的にはきちんと打ち解けてたんじゃねーか。


「だったら綿貫も来いよ。久しぶりに吉田に会いたいだろ?」
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