痛々しくて痛い
その音に反応したらしい女性店員が、すぐさまレジカウンター奥の厨房から現れる。


「えっと、陣内の名前で予約が入ってると思うんですけど」

「はい、お待ちしておりました。こちらにどうぞ」


彼女の案内に従い通路を進み、一番奥に位置する部屋のドアの前まで到達した。


「お、来た来た」

「あー!麻宮君ー!」

「久しぶりぃー!」


店員がノック後、「はーい」という返事を合図にドアを開け、俺が入室するやいなや、室内から一斉に声が上がった。


最初に届いた男性の声は言わずもがなで陣内、その後に続いたのは女子の幹事役である吉田、付き添いの星野であった。


相変わらず女子二人はテンションが高い。


苦笑いしつつ、ドア付近に立てられていたハンガーラックに着ていたコートを引っかけ、皆が陣取るテーブル席へと近付いた。


「じゃ、麻宮も来たことだし、飲み物頼もうぜ」


俺が隣に着席するのを見届けてから陣内はそう提案し、テーブル上に用意されていたメニューを開いた。


料理はお任せだけど飲み放題コースを付けているので、当然、各自好きな物を頼む事になる。


しばし悩んだあと女子はチューハイ、俺達は生中をチョイスした。


「ちゃんとたどり着いたな、麻宮」


オーダーが済み、店員が退室した所で陣内が言葉を投げ掛けて来る。
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