痛々しくて痛い
俺と陣内が前菜を完食したタイミングで、吉田が残りの料理を新しい皿に取り分け始めた。


星野もそれに続く。


二人にばかり負担をかけるのはさすがに申し訳ないので、俺達は空になった皿を重ねて端に寄せ、それを回収してもらうべく、テーブルに用意してあった厨房と繋がっているのであろうドーム型の呼び出しボタンを押した。


吉田が甘鯛のムニエル、ローストビーフ、三種のチーズの盛り合わせを、星野がエビとホタテのトマトクリームパスタ、マルゲリータ、パエリアをうまいこと4分割して取り分け、その二皿をそれぞれの席の前に置いた所で店員が入って来る。


「ついでに飲み物の第二弾、オーダーしとくか?」

「そうだね」

「じゃあ、メニュー取ってー」


陣内の提案に全員同意し、彼と俺は芋焼酎のウーロン割りを、吉田と星野は料理に合わせてあらかじめ指定されている銘柄のグラスワインを追加した。


「最後はアレだね」


オーダーを取り終えた店員が皿を手に退室した所で、星野が一つだけ取り分けずに残っている、容積いっぱいにクリーム色の物体が盛られた四角いトレーのような物を指差した。


どうやらチーズスフレという代物で、このコース料理を締めくくるデザートらしい。


専用のヘラみたいなやつを使い、セルフサービスでお好みの量を切り分けるようだ。
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