痛々しくて痛い
「パンプキンプリンとガトーショコラも選択肢にあるんだって。でも、最後に口をさっぱりさせた方が良いかな~と思って、私が弥生にチーズスフレ推ししたの」

「だからやっぱ男子にも食べてみてもらわないとー。っていうか、陣内君は幹事なんだからちゃんとリサーチしてよ」

「そうだよ。お金払うのにもったいないじゃん」

「分かったよ」


二人に意見され、観念したように受け入れる陣内の様子が妙におかしくて、思わず笑ってしまった。


「麻宮君て、本社のどの部署なの?」


メインの料理にとりかかり、新たに運ばれて来た飲み物を合間合間に流し込みつつ、とりとめもない会話を交わしていたが、再び吉田が話題を俺の仕事に戻した。


「んー。所属は総務部で、宣伝、広報を担当する課なんだけど…」

「えー!良いなー」


途端に星野が食い付く。


「自社のCMとか作る時、広告代理店の人にキャスティングについてあれこれ注文つけられるんでしょ?」


何やら瞳がキラキラと輝いていた。


「撮影にも当然立ち会えるんだろうし。好きな芸能人に会えるチャンスじゃーん!」

「あ。でも、今はとにかく広報部門の方を軌道に乗せるのが最優先だから。CM制作に取りかかるのはまだまだ先になるかな」


その広告代理店(しかも最大手)の元社員もメンバーの中にいる、という事実はあえて伝えなかった。
< 248 / 359 >

この作品をシェア

pagetop