痛々しくて痛い
そういう情報も第三者に気軽に広めてはいけないと思うし、さらに星野が興奮して、なんやかんやと質問責めにされそうだったから。


それに、伊織さんの経験値で、ある程度の所まで企画は進められるだろうけど、CMを作るとなるとやはり、最終的には代理店への依頼は必須だ。


芸能界とのコネクションはもちろん、撮影設備や技術がないんだから、それに係る部分はどう考えても専門の業者に頼らざるを得ない。


だから普通の会社の宣伝部と段取りは変わらない訳で、星野の話に余計な注釈を加える必要性はないと判断した。


「え?CMって、広報じゃないの?」


すると吉田が不思議そうに問い掛けて来た。


「違う。そっちは宣伝」

「んん?そもそも宣伝と広報って、何が違うワケ?」

「そうだな…」


インタロゲーションマークを脳裏に浮かべている事が丸わかりの吉田に向けて、俺自身、以前樹さんにレクチャーしてもらって把握した内容を披露する。


「すっげー大雑把に言えば、金がかかるのが『宣伝』で、タダでそれができるように持って行くのが『広報』。アプローチの仕方が違うから、それぞれ部署を独立させてる会社も多いけど、ウチはひとまずいっしょくたにしてスタートさせたワケ。ちなみに、自社の社員への情報伝達は広報の仕事な」


しかしこの説明ではどうにも理解できないようで、相変わらずポカン顔の吉田にさらに細かい解説を始めた。
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